製造業の悩み「チョコ停」をIoTの力で解決したい!【(株)ソルティスター・與那覇朝幸氏】

概要

システム・サービス名:工場生産ラインにおけるチョコ停検知システム
内容:製造現場で発生するチョコ停をセンサー、IoTカメラで監視、データを収集し異常の予兆を検知する
対象者:工場生産ライン、人手+工作機を使う中小の製造現場、食品工場など

ここがResorTech!!
  • チョコ停発生による製造ラインの損失を軽減
  • 汎用性が高く製造機器や工作機械のメーカーにかかわらず対応が可能
  • 大規模な製造ラインだけでなく人手に頼った町工場への応用も期待

製造ラインや生産工程などで、製造設備や工作機械などの一時的な停止が繰り返し発生することを「チョコ停」といいます。あまり耳慣れない言葉ですが製造、生産の現場では当たり前のように使われている用語で「ちょこちょこ停止する」「ちょこっとした停止」などがその語源とされています。

チョコ停は機器の大きな故障で発生するものではなく、オペレーターの操作ミスや、材料の不良、機器の摩耗などがまさにちょっとしたことが原因のため、修理なども通常は不要とされ、簡単に復帰も可能なことから、どうしても見過ごされがちな小さなトラブルとされています。

しかし、このチョコ停が繰り返し発生することで、短時間でも製造ラインがストップし、それが積み重なれば結果大きな経済的損失につながることにもなります。また、チョコ停を放置して入るとそれがやがて重大なトラブルや故障につながる可能性もあるといわれているのです。

写真:「チョコ停」とは自動運転中の製造設備が5分程度停止してしまうこと。頻発することで機会損出は大きくなる
写真:「チョコ停」とは自動運転中の製造設備が5分程度停止してしまうこと。頻発することで機会損出は大きくなる

沖縄で実証実験を行うことになった理由とは

そんなチョコ停をIoTでシステマチックに検知して、チョコ停発生時のデータを収集、視覚的に確認できるシステムを現在開発、実証実験を行っているのが株式会社ソルティスターです。

どのようにして監視、検知を行うのか、また従来のものと何が違うのか、そしてなぜ沖縄で実証実験を行っているのか、その理由をお聞きしました。お話していただいたのは株式会社ソルティスターでこのシステムの実証実験を行っている與那覇朝幸氏です。

写真:株式会社ソルティスター・與那覇朝幸氏
写真:株式会社ソルティスター・與那覇朝幸氏

株式会社ソルティスターは組み込み系データベースの研究開発や販売、コンサル業務を25年以上行ってきた企業です。本社は長野ですが、沖縄に開発センターを持ち、組み込み機器向けのデータ管理の技術の研究開発などを行っています。そんな同社が現在沖縄で実証実験を行っているのが「チョコ停検知システム」です。

では、なぜ沖縄で実証実験を行っているのか。その理由の一つが、これから沖縄がアジアの物流のハブになると考えられているためとのことです。そして「沖縄が物流の拠点になればいずれ沖縄で製品の製造をはじめる企業も増えていくはずだ」ということで沖縄の企業に協力をしてもらい実証実験を始めたそうです。

規模にかかわらず製造の現場に対応できるシステムを目指す

チョコ停を検知するシステムが、大規模な製造ラインなどに組み込まれている例はすでにあります。しかし、ソルティスターの「チョコ停検知システム」がそれらと違うのは全自動でない中小の工場などにも対応できる汎用性の高いシステムだということです。

例えば製造機器や工作機械のメーカーが違っても、さらに途中人手が介在しても、チョコ停が検知できる、そんなシステムを目指しているのです。

写真:製造が人手による作業が中心となっている現場においては、機械による製造の実施中は、別作業をしていることも多く、チョコ停が発生して該当工程へ戻って対応することも
写真:製造が人手による作業が中心となっている現場においては、機械による製造の実施中は、別作業をしていることも多く、チョコ停が発生して該当工程へ戻って対応することも

チョコ停発生時の値を収集、クラウドに送りデータベース化

仕組みとしてはIoTカメラやセンサーを機器類や制御盤に組み込み、常にデータを収集。正常に稼働している状態とチョコ停時の状態のデータをシステムが収集、監視します。収集しているデータにチョコ停発生時と同じ値を検知すると、その異常の発生をメールやパトランプなどで利用者に通知します。

また、製造現場も常にネットワークカメラで撮影されているのでチョコ停発生時のデータと撮影現場の録画データを合わせて専用の画面で閲覧することも可能です。

さらに収集したデータや、チョコ停発生時の値などを分析した結果をクラウドなどにデータを送信します。そしてそれらをデータベース化すれば「他の現場でのチョコ停の発生前にその予兆を検知したり、チョコ停予防の研究に役立てることができるはずです」とのことです。

現在は実証実験の段階ですが、この「チョコ停検知システム」が完成すれば、製造ラインのない小規模な工場や、食品加工会社、また工作機械と人手によってモノづくりをしている町工場などのような現場にも役立つシステムになるのではないでしょうか。

沖縄の製造業の発展に貢献できる存在に

現在沖縄は第三次産業が主な産業で、製造業の比率は極端に少ない状況です。しかし、いずれアジアの物流のハブとなることが期待されており、そうなれば大小さまざまな製造業が沖縄に増えていく可能性が高いでしょう。

ただ、その時起こりえることが製造の現場におけるチョコ停発生に起因した様々な問題です。ソルティスターが実証実験を進める「チョコ停検知システム」が完成すれば、そういった問題も効率的に解決することが可能になるはずです。ソルティスターの「チョコ停検知システム」が、近い将来沖縄の製造産業を支える存在になってくれることを期待します。

記事に関する問い合わせ

株式会社ソルティスター
沖縄開発センター
與那嶺 朝幸
info@saltyster.com

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