コロナへの不安から沖縄の安全をアピールできる「Pan de seek」【SCSK(株)鈴木利昌氏、内藤麻衣氏、川端卓氏】

概要

システム・サービス名:Pan de seek(パンデシーク)
内容:AIとカメラ映像を組み合わせ、その場所の総合的なリスク度合いを検知・解析し通知するソリューション
対象施設:公共施設、観光施設、ショッピングモール、人が多く集まる場所など

ここがResorTech!!
  • 新型コロナウイルス感染症の感染リスクを可視化することで不安を解消
  • 新型コロナウイルス感染症だけでなく、熱中症やインフルエンザなどにも活用できる多機能性
  • 将来的に感染リスクを一つのボードで発信することで、観光立国・沖縄の新たなアピール

写真:各施設の状況を1つのボードで一括で管理できるシステムの正体は…
写真:各施設の状況を1つのボードで一括で管理できるシステムの正体は…

新型コロナウイルス感染症は、2019年12月、中国において確認され、その後、2020年3月11日に世界保健機関(WHO)はパンデミック(世界的な大流行)に至っていると表明をし、未知のウイルスとの戦いは、未だに不安を拭いきれない状況です。

今回、SCSK株式会社は、人々の不安を少しでも和らげることができればと、長年にわたって携わってきた画像解析AIに関するノウハウを生かして「Pan de seek(パンデシーク)」を開発しました。

これは、AIとカメラ映像を組み合わせ、その場所の総合的なリスク度合いを検知・解析し通知するソリューションで、コンセプトは「安全を可視化する」です。2020年の「ResorTech Okinawa おきなわ国際IT見本市2020/ツーリズムEXPOジャパン2020 旅の祭典 in 沖縄」では「感染症対策ソリューションの実証実験」として、その力を存分に発揮しました。今回は、開発に至った経緯と今後の可能性について、お話を伺いました。

お話を伺ったのは、SCSK株式会社DX技術開発センターの鈴木利昌氏、内藤麻衣氏、川端卓氏の3人。DX技術開発センターとは、自社で開発しているAIに関するロジックを研究し、扱える、つまり、SCSK株式会社のAIに携わる人が集まっていて、「誰もが使えるAIを…」を掲げて多様なユースケースに合ったAIを開発しています。

開発のきっかけは一人の社員の言葉から

SCSK株式会社は2020年2月には、在宅勤務体制に。今までにない経験で、普通に暮らしていても不安な状況の中、内藤氏は(今回のコロナ禍で)何かできることはないかと模索していたところ、ある一人の社員から「どこに行っても不安だ」という声を聞きました。子供を幼稚園に預けに行くなど、最近までは何気ない日常だったことに対して、不安が募るようになったそうです。「不安を軽減できるようなソリューションがあると良いのでは?」という思いから、開発に踏み切ったそうです。

開発を得意とする部署だからこそ、出来ること

「Pan de seek」は、「マスク検知」「体温検知」「体調不良行動検知(咳をするなど)」「密検知」の4つの機能が備わっていて、他社製品では単体の機能を有する製品は多数存在しますが、機能を4つも備えているのは、この製品の強み。「体温検知」が備わっている点から、新型コロナウイルス感染症だけではなく、熱中症やインフルエンザにも用いることが可能です。

写真:複数人入っても瞬時に体温を測定(テスト用画像のため、実際の体温とは異なります)
写真:複数人入っても瞬時に体温を測定(テスト用画像のため、実際の体温とは異なります)

また、食堂に設置する場合、食事中は基本的にマスクを外すので、「体温検知」「体調不良行動検知(咳をするなど)」を中心に見て、その場所のリスクを判断するのが効果的。

ほかにも、ショッピングセンターや駅など多くの人が行き交う場所では「マスク検知」を中心にリスク度合いを算出するなど、用途によって使い分けができます。システム開発を得意としている部署なので、顧客の要望に沿った「安全」を届けることに自信を持っています。

社員の協力なしではできなかった「Pan de seek」

内藤氏は開発にあたってAIに咳をしている人を検知できるように学習させるため、「咳をしている姿」の画像を集めるのに苦労したそう。そこで、在宅勤務の社員に協力を仰ぎ、自撮りで咳をしている姿を収めてもらいました。

写真:社員に協力してもらい、何気ない日常の中で咳をするふりをしてもらい、AIに学習
写真:社員に協力してもらい、何気ない日常の中で咳をするふりをしてもらい、AIに学習

手で押さえる、腕で押さえるなど多くの咳をする姿を入手でき、AIに学習させていきました。あと、体温検知のデータ収集においては、会社受付に設置しましたが、在宅勤務のためなかなかデータが集まらなかったそうです。そんな中、新入社員300人が、5グループに分かれて集まる機会があったのでデータ収集に協力してもらうなど、「Pan de seek」は多くの社員の協力によって、“学習”し、育っていきました。

また、開発当初の「マスク検知」は、紙マスクや白マスクだったものが、コロナ禍が長引くにつれ、柄物など多様なデザイン性のあるマスクが増えたといいます。そんな中で「ResorTech Okinawa おきなわ国際IT見本市2020/ツーリズムEXPOジャパン2020 旅の祭典 in 沖縄」に設置できたことは、いろんな人が来場したため、多くのバリエーションを学習させることができ、とても良い場になったそうです。

写真:「ResorTech Okinawa おきなわ国際IT見本市2020」に力を発揮したPan de seek
写真:「ResorTech Okinawa おきなわ国際IT見本市2020」に力を発揮したPan de seek

ITで沖縄の安全をアピール

鈴木氏は「Pan de seek」を那覇空港や沖縄美(ちゅ)ら海水族館など主要施設に設置できないかと意気込んでいます。管理者側が複数箇所の状況を一つのボードで把握することができるので、その仕組みを沖縄県のホームページなどで24時間いつでも状況を確認できるようなものがあればと考えているそうです。

「渋滞情報って、渋滞している個所を知ることでその道を避けて迂回しますよね。それと同じような感覚で、『この場所はマスク着用率が低い』とか、『人が多いので密です』などの情報を知ることができたら。絶対にその場所に行かないと困る人以外は行かないと思う。たくさんの観光地がある中で、『ここは安全だよ』『平気だよ』と安全をアピールできたら」と、観光立国・沖縄の新たなアピール方法がITの力によって可能になるかもしれません。

記事に関する問い合わせ

SCSK株式会社
DX技術開発センター
イノベーション開発第一部
mail:snn-info@ml.scsk.jp

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