おすすめの特集
  • DX人材育成
  • 知っておきたい補助金・助成金活用事例
  • トップが語るDX成長戦略
  • DXお役立ちリンク集

概要

システム・サービス名
パーソナル・プロモーション・プラットフォーム(PPP)、Store Media機「Pal(パル)」
内容
来店時に店頭に設置されたStore Media機「Pal」に小売店の会員カードをかざすと、個人の買い物傾向から予測された商品のクーポンが買い物前に発券され、購入するとポイントが付与される。
対象者
小売店およびメーカー
新型コロナウイルスにより家計の消費支出にも大きな影響が出ており、小売店やメーカーはいかに自社商品を購入してもらうかに頭を悩ませている。
そうした課題にこたえようと開発されたのが、マギー株式会社のStore Media機「Pal(パル)」だ。
「Pal」は、一人一人の購買傾向に合わせたクーポンをAIが判断し、来店時に発券するもので、“一斉配布”というこれまでのクーポンの概念を覆した。クーポン記載の商品を購入するとポイントが付与され、貯まったポイント数に応じたサービスが受けられる。これにより購買意欲を高め、小売店やメーカーの売上アップにつなげるストーリーだ。
「Pal」の開発で、同社はデータ分析事業をベースに個人向けプロモーションを展開するパーソナルプロモーション事業領域に乗り出し、小売店、メーカー、購買者の三者にとって利となる構造の変革を実現した。
今回は、主に営業担当として「Pal」の流通、店頭設置に尽力したアグリ事業部部長・山川朝潤(やまかわ・ちょうじゅん)氏に製品開発の意図や特徴などを聞いた。

日々8,400万件のレシートデータを分析し、マーケティングに活用

弊社は小売業者向けのデータ分析、マーケティング企画提案、農業分野のアグリ事業を主な柱としています。今回開発した「Pal」はデータ分析事業から生まれたものです。

データ分析事業のテーマは、「小売業やメーカーに収益をもたらすビッグデータの利活用を全国に先んじて提案すること」と「沖縄県の労働生産性向上」の2点。弊社保有のビッグデータを活用した事業展開で沖縄県に“ビッグデータ産業”を創設し、これを発展させることで労働生産性・県民所得全国最下位という状況を解決できないか、という思いからスタートしました。近年では“ビッグデータ産業”を本格的に展開していくための取組の一環として、データアナリスト人材育成事業などもスタート。この育成事業では、今年度400人のアナリストの育成を目指しています。

同事業では、全国のスーパーマーケット様やドラッグストア様、約5,000店舗の会員3,000万人の毎日の購買データ(レシートデータ)を分析・解析しています。これは1日約500万世帯分、8,400万件、日本の総世帯数の10%にも上る膨大なデータです。

その購買データを、あらゆる角度で分析・解析を行います。例えばA店は生鮮食品に強いといった「強み」や、他店に比べると夕方以降に総菜の売れ行きが鈍いといった「弱み」、特定のエリア内で売れているある商品の7割はA店で購買されているといった「エリア内での動向」などを小売店やメーカーにフィードバックし、各社のマーケティングに活用していただいています。

ID-POSの購買データとAIで会員1人1人に合わせたクーポンを発行

データアナリストは、購買データから「この時間帯には〇〇が売れやすい」「〇〇が売れる時は△△も連動して売れる」といった解析・分析を行います。
その結果をマーケティングに活用するわけですが、注目すべきは、このデータが“ID-POS”だということです。“ID-POS”はID付POSデータのことで、購買者が会計時に会員カードやポイントカードを利用することで、会員情報(ID)と、「いつ・どこで・何を・いくらで・いくつ購入したか(POSデータ)」が紐付けられるものです。

ID-POSの分析をもとにさまざまな仮説を立て、データベースを構築します。データベースでは、会員情報(ID)で個々の属性や行動の分析が可能です。さらに、購買履歴が多ければ多いほど個人の購買パターンが明確化され、マーケティングの材料が揃います。、増殖という意味を込めた「Ameba」と個々の属性を表す「DNA」を掛け合わせて、弊社ではこのビッグデータを「Ameba DNA」と呼んでいます。「Ameba DNA」からAI機能で最適な情報を導き出すことで、販売店のアプリや店頭に設置した「Pal」から、会員一人一人に合わせたプロモーションを可能にしました。

会計時に会員カードが使用されると、ID-POSデータが「Ameba DNA」として蓄積され、AIが最適なクーポンを判断し、会員へ発行します。クーポンは「Pal」だけでなく、設置店の会員アプリからの配信も可能です。

例えば、定期的にワインを購入するAさんがいたとします。Aさんがワイン好きでよく購入しているという情報はID-POSから「Ameba DNA」に蓄積されていきます。するとAIがワインのキャンペーンを行っているメーカーとAさんをマッチング。来店したAさんが「Pal」に会員カードをかざすとワインのクーポンが発券されるといった流れです。

また、発行されるクーポンは1枚だけではありません。Aさんの「この時期によく購入する商品がある」「新商品に関心が高い」「セール品を購入しやすい」といった購買履歴や動機傾向もAIが判断し、最適な商品クーポンを複数枚同時に発券することができます。

購入可能性の高いターゲットに絞ったパーソナルプロモーションが可能に

通常、クーポンは会計時に次回使えるものが発行され、事前発行の場合も全員共通のクーポンのみでした。「Pal」は来店時、当日使用できるクーポンが発券されます。購買意欲を刺激すると同時に、「クーポンやポイントを得たい」という来店動機も与えることができるので、店舗側は「Pal」を設置することで集客効果と売上増が望めます。

「Pal」に会員カードをかざすだけでクーポンが発券される

これまでは、メーカーや店舗が売りたい商品を、不特定多数に一斉配布するクーポンが一般的でした。しかし、もともと購入を予定していた人がたまたまクーポンを入手するといったケースも起こり売上の増加や費用対効果が想定まで達しなかったり、想定より多くのクーポンを発券し余分な経費が発生してしまったりと、クーポンの効果を実感できないケースも多かったんです。
「Pal」では、心臓部にあたるAmeba DNAにより購入可能性の高いターゲットに絞って商品をプロモーションすることが可能に。メーカーも店舗も、より効率的にマーケティングを行えるようになりました。

沖縄のスーパーマーケット・丸大全店、フレッシュプラザユニオン全店、本土のドラックストアなどを含めると、現在、600店舗以上に「Pal」が設置されています。2024年3月には5,000店舗での設置を見込んでおり、月間6,000万人が「Pal」を利用する想定です。

「Ameba DNA」によって広告主は購入の可能性が高い人、売りやすい地域や時期などを参考に、店舗アプリや「Pal」でダイレクトにプロモーションをかけることが可能となります。こうしたパーソナルプロモーションにより、広告費を抑えられ、発券されたクーポンが実際に使用されたかどうかもID-POSで把握できるため、正確な費用対効果もわかり、販売戦略に生かすことができます。これによって、リアル店舗での広告市場も大きく変える可能性を秘めていると確信しています。

「Pal」には来店時ポイント付与やクーポン発行のほか、動画配信機能もあります。クーポン発券にかかる5~6秒の間に、発券されたクーポン内容や購買履歴などから最適と判断される動画を配信することもできるので、「Pal」をメディアにした動画プロモーションも可能なんですよ。

小売店、メーカー、お客様のWin-Win-Winの関係を作り、経済効果にも期待

マギー株式会社 アグリ事業部部長・山川朝潤氏

「Pal」設置店からは、店側からの発信でなくお客様が自らカードをタッチしてクーポンを取得する点、来店当日に発行・利用できる点、個別クーポンが発券される点を特に評価していただいています。メーカーからは、クーポンの使用実績、商品の売れやすいタイミングなどの分析ができ、費用対効果が見えることを喜んでいただいていますね。

今後は、より多くのデータを収集できるよう、設置店舗を増やしていきたいと思っています。また、クーポン発券の際、より“パーソナライズ感”を演出できるよう、例えば「あなたにおすすめの商品はコレ」といった言葉も工夫し、購買意欲をさらに高める仕組みも考案中です。

「Pal」は小売店、メーカー、お客様すべてとwin-win-winの関係を築けるシステムだと思っています。
小売店は「Pal」の設置によるポイント・クーポン発行により、会員獲得や集客効果、売上向上が見込めます。メーカーはID-POSや「Ameba DNA」のデータの解析・分析から、より効率的・効果的なマーケティングが可能になり、購買見込客に向けて自社商品のクーポン発行が行えます。お客様にとっては、店舗へ足を運ぶだけでポイントが付与され、さらに嗜好に合ったクーポンが発券されることに特別感を感じて購買意欲をそそられ、“楽しいお買い物”も体験することができます。

「Pal」のクーポン発券による来客効果が波及して設置店舗が増え、お客様の購買機会を広げていくことで、家計の消費支出を促し、経済効果をもたらす。「Pal」はその可能性を大いに秘めた新しいStore Media機だと感じています。

【Profile】
「マギー 株式会社」
代表:代表取締役社長 山川朝賢
住所: 沖縄県豊見城氏豊崎3-71
電話:098-850-8508
業務内容:
・パーソナルプロモーション事業
・データ分析事業
・リテールマーケティング事業に係る事業企画・販売
・アグリ事業

イベント情報

支援の紹介

  • 実証事業支援
  • IT導入等支援・ビジネスマッチング支援
  • IT人材育成支援
  • 経営に関する支援の窓口

おすすめキーワード